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検証・井口村刃傷事件(1)

ぐんと寒くなってきましたね。
先月は講演や企画展巡りで色々楽しく勉強になりました。

さて、坂崎紫瀾が描いた坂本龍馬の最初の伝記小説『汗血千里の駒』の冒頭で取り上げられ有名になった「井口村刃傷事件」(別名・永福寺事件)。土佐藩における上士と下士の対立を印象付ける、この有名な事件の実態がどういうものだったか気になっておりましたので、史料上の記録を調べてみました。
文久元年3月4日に発生したこの事件、『維新土佐勤王史』には、「坂本等、一時池田の宅に集合し、敢て上士に対抗する気勢を示したり」とだけシンプルに記されておりますが、他にこの事件に触れた書籍を探してみたところ、以下のものが見つかりました。

平尾道雄『土佐藩郷士記録』、『保古飛呂比 佐佐木高行日記 1』、『寺田寅彦覚書』、『寺田寅彦 妻たちの歳月』、『高知市北部・西部地区ガイドブック』、『汗血千里駒』etc……結構ありますね。まあ『汗血千里駒』に史料的価値はありませんが。
他に当時探索方の役人をしていた下許武兵衛という人物の日記に詳細な記録が残っております。この日記は原史料は確認出来ないらしいのですが、下許武兵衛の事蹟と日記に関しては『土佐史談』、『秦史談』のバックナンバーで取り上げられていますね。
また幕末土佐藩の陽明学者であった奥宮慥斎の日記にも同事件の記録があるそうです。この日記は非活字化史料ですね。図書館に杉山剛著 『奥宮慥齋の研究~慥齋先生日記を手がかりとして~』が収蔵されていましたが興味深い本でした。幕末に維新志士が土佐から多く出たのはこういう学者層の人々の影響も大きいんですよね。余談ですが慥斎の三男・奥宮健之は大逆事件で幸徳秋水と共に処刑されてるんですね。歴史は繋がっているんだなあ。
坂崎紫瀾、司馬遼太郎、津本陽、安岡章太郎らがこの事件を小説で取り上げました。また井口村事件関係者の縁者であった寺田寅彦の師・夏目漱石が、小説『それから』の中で井口村事件をモチーフにしたエピソードを挿入しています。
次回から各本の内容を取り上げていきたいと思います。

ちなみに「上士・下士」という名称は江戸時代に使用されていた形跡が史料にないらしく、上士は士格、下士は軽格という呼び方が当時一般的だったということだそうですよ。
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