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ミットフォードが記した病床の山内容堂の様子です。布団の上に横になって何枚かの掛け布団の上に美しい紫色の繻子の上掛けをかけていたが、その派手な色彩は病人の蝋のような色をした顔や手と際立った対照を成していた。(略)まだ彼は四十七歳(※)なのにどうしてあれほど年取って見えるのか不思議に思った。まるで彼は自分の命を使い果たしてしまったようにみえたのである。
※実際にはこの時四十二歳
アルジャーノン・B・ミットフォード『英国外交官の見た幕末維新』より
明治二年ごろの作とされています。江戸両国の遊郭にあって土佐の波濤を懐かしみ、「世間の者には自分の気持ちなど解らんよ」と内心思いつつ華やかな絃声を背後に去っていく容堂の姿が浮かんでくるようです。『二州酒楼に飲す』
昨は橋南に酔ひ
今日は橋北に酔ふ
酒在り飲む可し 吾酔ふ可し
層楼傑閣 橋側に在り
家郷万里 南洋に面す
眦を決すれば 空濶碧茫々
唯見る 怒濤の巌腹に触るるを
壮観却って此の風光無し
顧みて酒を呼べば 杯 己に至る
快なる哉 痛飲放恣を極む
誰か言ふ 君子は徳を修むと
世上 解せず 酔人の意
還らんと欲すれば 欄干の灯 なお明らかに
橋北橋南 尽く絃声