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Schwarz Herz

『私の猫たち許してほしい』佐野洋子(ちくま文庫)を人から借りて読んだ。
谷川俊太郎の元奥さんで『100万回生きたねこ』の作者でもある佐野洋子さんのエッセイ。
何でこの人、過去の後悔の言語化がこんなに上手いんだろう。
久々に印象に残った本だったので、気に入ったフレーズをメモ。

◆私はあんまりみじめで、何も手につかなかった。私は猛々しい気持ちで、ささくれだって、花屋の前で、やけくそに大輪の白いぼたんを買った。
花を生けて、部屋はあでやかになったけど、私は皮肉な気持で、白いぼたんをながめた。そして、白いぼたんの芯からほのかに赤くにじんでいる部分をいやらしいと思った。(略)ばらは虚栄のかたまりのようだと思い、けしははかながって同情を引く女のように見え、百合の匂いはこれ見よがしの下品な匂いだと思った。(略)友達が来て、
「お宅は、いつもきれいな花があるのね。花を生ける余裕があって、あなたしあわせね」
と言った。私は驚いて、苦々しい気分のまま、ますます自分をいやらしいと思った。
私は今まで、あのようにみじめで、醜い心の自分をもてあましたことはなく、私の家が、あんなに花があふれて、はなやかだった時期はない。

◆美しいものは、美しい人にしか似合わないのである。

◆私はその時、母の幸せは、この林の今ここにしかなくて、それはとても短い時間、あっという間に過ぎ去ってしまうものなのだと、とても不安な気持ちにになった。

◆夏の夕方、西瓜を割った私を舌打ちした小父さんを、私はいやだと思っていない。
私に見えるのは。騒々しく落ち着きのない、ぶざまに西瓜を割った嫌悪すべき子供の私である。私は、小父さんの目にうつった私を、嫌悪している。

◆「人間は年をとればとるほど、その人に似てくるものですね」
私はあれほど的確な日本語を知らない。

◆黒い心(Schwarz Herz)は、悪い心かと私は聞いた。おばあさんは首を振り、黒い心を持っている人は黒い心を持っている人がわかるのだ。私もお前も黒い心を持っている、と言った。

◆信じるということと幻想が、ほとんど同じことかもしれないのに。

◆いや応のない現実に直面し続けることによってしか、想像力は生まれないのだと、私は頑迷に信じているのだ。

◆さんざん女房を泣かした人が、女房が病気になるとすべてをなげうち看病と真心をささげ、一周忌には涙なしには読めない美しい愛妻記を友人知人にくばり、三回忌のころには若い新しい女房と生まれかわったようにはつらつとやったりするのを知ると、側に行って肩をたたいて、おいしいおすしなんかしみじみとごちそうしたくなる。


ちなみにこの本を貸してくれた人は
◆風に吹き上げられた愛だけが不滅のまま、生きつづけるような気がする。
がお気に入りだそうだ。ロマンチックすなあ。
でも表題の“私の猫たち許してほしい”の意味を理解した時は、猫好き的にちょっと凹んだ。
私の猫たち“を”許して欲しい、じゃなくて、猫たち“に”許して欲しいって意味だったのね…。

猫といえば、友達が以前うちに連れて来てくれた子猫は武市さんの親戚の人から貰ったんだよーって言ってたけど本当かなw某所のバーテンダーさんが武市半平太さんの子孫らしいでーとか他所でも聞いたけど、よくある話なのかな?もしかして。まあよそんちのご先祖様の事考えても仕方あるめえ…。
画像は友達が我が家に見せに来てくれたその子猫ちゃんです♪めっちゃ可愛かった!
neko01.jpg

私の猫たち許してほしい (ちくま文庫)私の猫たち許してほしい (ちくま文庫)
(1990/08)
佐野 洋子

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