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お月さんももいろ

eclipse_of_the_moon.jpg
この間は月蝕でしたね~。画像は知人に貰ったやつです。
そうか望遠鏡にカメラくっつけて撮ればいいのか…。

今回はちょっといつもと趣向を変えて、江戸時代中期頃の土佐を舞台とした松谷みよ子さんの創作童話『お月さんももいろ』(ポプラ社:1973年) を紹介します。イラストは井口文秀さん。ちなみに松谷氏はこのお話の執筆後に、祖父が土佐出身の人であることを知ったそうな。

まず土佐の珊瑚について、大月町「土佐サンゴ発祥の地」の案内看板から説明文を引用。

土佐サンゴ発祥の地

ここ月灘沖を含めた渭南海岸には、徳川時代からサンゴのあることがわかっていました。一人の漁師が桃色サンゴを釣り上げた偶然が日本サンゴ史の始まりとされています。
 土佐藩では厳重に採取を禁止し、その所在を口にすることを固く禁じました。このことは今なお残る童唄
  お月さんももいろ だれんいうた あまんいうた
   あまのくちひきさけ
      (注:だれん=誰が いうた=言った あまん=あま)
にうかがい知ることができます。この唄は口をとざされた漁師や子供たちによって唄いつがれたものでここ小才角はこの唄の故郷であります。
 明治維新後この禁令は解かれ、明治七年にこの付近の海域ではじめてサンゴ船による採取が行なわれその後は急速に発展し、明治三十年代には七百隻の採取船が出漁し、愛媛県からも多数の船が沖の島周辺に来て採取しました。乱獲の結果資源が涸渇、ついに大正十二年頃にはほとんど中止の状態となりました。
 その後、五島、台湾、奄美大島、小笠原諸島周辺やミッドウェー沖にて多くとれ、当地方では今もなお、その加工が盛んです。最近また月灘沖の赤サンゴが大変注目されています。

珊瑚は縁起物ということで、最近は中国からの需要が大きくなっているようですね。

『お月さんももいろ』は土佐で珊瑚が御禁制の品だった時代に、漁村の娘「おりの」が拾った桃色珊瑚をきっかけに、山の猟師の青年「与吉」と恋に落ち、悲しい最期を遂げるというお話。
最近十数年ぶりに読み返したら年甲斐もなく泣けました…

以下ストーリーを最後までネタバレ。

昔々、土佐の海辺の村に、おりのという美しい娘が爺やんと二人きりで暮していました。
嵐の翌日、おりのは浜で「お月さんが欠けて海に落ち、珊瑚になった」と伝わる桃色の珊瑚を拾いました。御禁制の品とは知らず、おりのは珊瑚を大事にしていました。
爺やんが病気になり、おりのは病には高価な熊の胆が効くと聞きました。入手するアテのないおりのの前に、与吉という精悍な猟師の青年が、猪を追わえて山から駆け下りてきました。与吉に事情を話すと快く熊の胆をくれたので、おりのはお礼に桃色珊瑚をあげました。山の人間と海の人間は結婚できない決まりでしたが、与吉は珊瑚を綺麗に磨いたら、おりのを嫁に迎えるといって帰っていきました。
おりのは「♪お月さんももいろ、どこさこけた、うみさこけた、さんごになってねんねんよ……」と珊瑚の歌を歌いながら与吉を待ち続けました。この歌がお遍路の口からよそにも広がり、お上の耳に入りました。庄屋に珊瑚を渡すようにいわれ、困り果てたおりのは海に潜って一生懸命珊瑚を探しますが見つかりません。嵐が来るのに気付かず、そのまま溺れ死んでしまいました。
翌日磨き上げた珊瑚を腕に、山から下りてきた与吉が見たのは冷たくなったおりのの亡骸でした。珊瑚を渡せという役人の命令を断り、与吉はおりのの亡骸を珊瑚と一緒に自分の村に連れ帰ると言いました。役人の上司も「行かせてやれ」と一旦は与吉を帰しましたが、やはりその晩与吉も殺されてしまいました。遍路達は今度はこんな歌を歌いました。「♪お月さんももいろ、だれいうた、あまいうた、あまの口、ひきさけ……」
献上された桃色珊瑚は、何も知らないお城のお姫様の櫛や笄(こうがい)になりました。

『雉も鳴かずば』タイプの童話ですね。
大月町の看板によると歌は実際に伝わっているもののようです。
年のせいか最近こういうベタなのに弱くなってきた…いや大昔読んだ時も、子供心に色々思うことがあったけど。絵本ながらに封建制の理不尽さをビンビン感じましたね。絵本の最後の場面、おりのと与吉の悲しい最期と幸せそうなお姫様の対比がもうねー。
土佐って住んでる人の気質は明るいのに、土佐を題材にするとなぜか話が暗くなる気がするいつも。なんでかなー?w直情的な気質が引き起こす行動が、結果的に悲劇をもたらしてしまうのでしょうか…(笑)
挿し絵が幻想的で大人でも楽しめるストーリーのとてもいい絵本です。
とってもおすすめ!ヾ(´▽`*)ゝ

お月さんももいろ (ポプラ社の創作絵本 2)お月さんももいろ (ポプラ社の創作絵本 2)
(1973/03)
松谷 みよ子

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土佐藩についての話題が多め。

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